ラグビーの試合で最も迫力があるプレーの1つがタックルです。ラグビーに詳しい人もそうでない人も聞いたことがあるワードではないでしょうか。
ラグビーにおいてタックルは、相手の攻撃を阻止するための基本的な技術でありながら、ボールを奪取するチャンスを生み出すプレーでもあることから、最も重要なプレーであると言えます。
しかしながら、危険なタックルは反則であり厳しい罰則の対象となるため、選手はルールへの理解と、正しい技術とフォームの習得が求められます。
この記事では、タックルの種類とコツ、そして反則の種類まで、ラグビー観戦の初心者にも分かりやすいように説明したいと思います。
ラグビーにおけるタックルとは?
まず、ボールを持っている相手選手を安全に押し倒すことがラグビーにおけるタックルです。全身を使って相手の動きを止めるのが目的であり、足でボールを奪うことを目的とするサッカーのタックルとは少し異なります。また、安全であることが何よりも重要です。
タックルが成功すれば、相手の前進を止めることができ、自チームのボール獲得にもつながるため、基本的な技術である一方で非常に重要な戦術の1つでもあります。
タックルの種類
ラグビーにはいくつかの種類のタックルがあり、試合の状況に応じて適したタックルが使われます。以下に代表的なタックル5種類を紹介します。
ショルダータックル(基本のタックル)
最も基本的と言えるタックルです。肩を相手の腰や太ももに当て、両腕でしっかりと抱え込んで倒します。腰を落とし、前に出るように体重をかけることで、相手の勢いに負けない力強いタックルができます。
頭を相手の体の横に出し、頭部や首の負傷の可能性を最小限にすることがポイントです。自分だけでなく、タックルを受ける側にもケガを負わせてしまう危険があります。
チョップタックル(ロータックル)
相手の腰より下を狙って低く入るタックルのことです。相手の足を刈るイメージで行います。体格差のある相手に対して有効である一方、低すぎる位置で入ってしまうと相手から膝蹴りを受けかねないため、正しいタイミングでタックルすることが重要です。
スマザータックル(抱え込みタックル)
相手をボールごとしっかり抱え込み、押し倒すタックルです。相手はボールを離しにくいため、ターンオーバーを狙えるプレーとして非常に有効です。相手にがっちりと密着し、両腕でボールと体を包み込むようなイメージで行うと正しい形のスマザータックルができます。
リアタックル(追いかけタックル)
相手を後ろから追いかけて倒すタックルをリアタックルと言います。相手に追いつくためのスピードが求められますが、成功すればチームを窮地から救うことができます。相手の腰あたりをめがけて、横から抱え込むように相手を倒しましょう。
チョークタックル
他のタックルとは少し異なり、相手を地面に倒すのではなく、立たせた状態のまま動きを止めるのが目的のタックルです。そのままモールに持ち込んでボールを奪うための戦術的なプレーであり、成功させるためには味方との連携が不可欠です。
反則行為となる危険なタックル
何度も強調しますが、ラグビーでは安全であることが最も重視されています。それゆえ、危険なタックルをした選手には厳しい反則が適用されます。
以下に主要な反則を紹介します。
ハイタックル
肩より上へのタックルのことです。相手の頭部や首に接触することは危険な行為とみなされ、ペナルティやカード(イエローもしくはレッド)が科せられることもあります。
選手の頭部保護は、現代のラグビーでは最も重視されているため、この反則は厳格に適用されます。
スピアタックル
「チップタックル」と呼ばれ、相手を持ち上げて地面に落とすタックルです。特に相手を頭から落としてしまうと非常に危険であり、即レッドカードになることもあります。
ノーバインドタックル
両腕を使わず、相手を掴まえることなく肩だけで体当たりするようなタックルのことを言い、相手を安全に倒す意図がないと判断されます。タックルの際には、必ず腕を回して相手を抱え込むことがルール上求められているため、これもまた重い罰則の対象となります。
ノーボールタックル
ノーボールタックルは、ボールを保持していない相手選手へのタックルのことです。ラグビーでは、ボール保持者以外へのタックルは禁止されています。
特に素早いパス回しの最中には、相手がボールをキャッチしたか、つまり、保持しているかの判断が難しいため、慎重な判断が求められます。もし意図的であるという判断が下されれば、ペナルティのほか、カードの対象にもなり得ます。
アーリータックル
ノーボールタックルの一種であり、ボールを受け取る前の選手に対して行うタックルのことです。意図的に早く当たると、危険な衝突やフェアプレーの妨げになるため、厳格に反則が取られます。
選手には、熱い闘いの最中でも、相手がボールを確実にキャッチしたのを見てからタックルを仕掛ける冷静さが求められます。
レイトタックル
アーリータックルと同様にノーボールタックルの一種ですが、既にボールを手放した相手に対して行うタックルをレイトタックルと呼びます。
プレーの目的を失っており、危険かつ不必要な接触とみなされます。特に、キッカーに対してレイトタックルをした場合、タックルを受けた選手はバランスを崩して大ケガを負う恐れがあります。状況によっては、ペナルティだけでなく、イエローカードやレッドカードが出されます。
オフサイドからのタックル
プレー中にオフサイドの位置(ボールより前の位置)からタックルをすることも反則となります。
とりわけ、ラックやモールの場面では、どの位置からならタックルが可能であるかを見極める必要があります。
まとめ
タックルはラグビーの魅力そのものと言っても過言ではなく、単に迫力があるだけでなく、チーム全体の守備意識の象徴としての魅力もあります。
ただし、むやみな体当たりや安全を考慮しないタックルは、タックルをする側、される側双方のケガの原因にもなり得るため、厳しく反則を取られます。
観戦する側も、タックルを理解することで、ラグビーの守備がもっと面白く感じられるはずです。次回の観戦時には、選手たちの正確なフォームとタイミングを兼ね備えた力強いタックルにぜひ注目してみましょう。









