脚に障害を抱えた人をスポーツ選手のスターにしている車いすラグビーですが、ルールが分かるとさらに楽しくなるスポーツでもあります。そこでこの記事では車いすラグビーのルールを分かりやすく紹介しています。ポジションなどラグビーの個性が溢れる面白ポイントも紹介しているので、普通のラグビーを観戦して車いすラグビーも知りたくなった人は、ぜひこの記事でルールを確認してみましょう。
車いすラグビーの出場選手に関するルール
車いすラグビーの出場選手は1チーム4人で、ルール上選手交代に制限はありません。ただし、出場する選手にはそれぞれ事前に筋力や体幹テストなどの結果と、障害の程度に合わせて点数が割り振られており、8点以内でチームを編成する必要があります。また、女性選手がチームに入る場合は、2.0点から3.5点の女性選手1人につき1.0点、0.5点から1.5点の女性選手1人につき0.5点の点数上限が加えられます。つまり、通常8点までの選手で構成しなければならないところを女性選手が入ることで、8点以上の選手を構成することが可能です。
競技に使われている車いすについて
車いすラグビーでは、ルール上専用の車いすしか使うことができません。使われる車いすは、コンパクトにまとめられたオフェンス用とヴァンパーで邪魔できるように作られたディフェンス用に分かれています。医療用の車いすと違うところは、ボールを運ぶために少し大き目に作られていることで、タイヤも接地面積を増やして安定性を向上させるために斜めに取りつけられています。選手の体に合わせて多少の大きさ変更は可能ですが、競技の趣旨に沿わない大幅な変更は認められていません。
車いすラグビーのコート上でのルール
車いすラグビーのコートはルールで、28m×15mのバスケットボールのコートと同じと決められています。バスケットコートと違うところは、ペナルティボックスとテーブルオフィシャル席があることです。ペナルティボックスとは反則行為を行った選手が30秒間待機する場所で、ペナルティタイムキーパーの指示があるまでコートの中には入れません。また、トライラインと呼ばれる点が入るラインの前には、8m×1.75mのキーエリアが存在し、このキーエリア内には守備側の選手が3人しか入れません。つまり守備側は選手全員がゴール前に並んで相手にゴールさせることを防ぐことはできないということです。
そして車いすラグビーの攻撃側選手は、キーエリアに入ってから8秒以上経過してしまうと相手ボールになってしまうルールになっています。さらに攻撃側は自分のコートから12秒以内に相手コートにボールを運ばなければならないルールで、一度相手側のコートに入ったら自陣エリアにいる選手にボールをパスすることはできません。つまりサッカーのように獲得点数でリードしたら時間稼ぎをしてゲームを終わらせるという戦略がやりにくくなっています。
タックルとボール運びのルールとは
車いすラグビーのルールでは、車いす同士のタックルは認められています。ただし、選手同士の接触は認められておらず、接触するときは車いすを介して行うと決められています。つまり車いすラグビーでは、相手を手で押して倒してバランスを崩した選手からボールを奪うことができないルールになっています。また、タイヤの半分から後ろの部分にタックルすることはできず、タックルするときは必ず車いすの前半分にするルールになっています。これは後ろからタックルして車いすをコート外に追いやる行為を禁止するための措置でもあります。
ボールを持ったら必ず8秒以内にドリブルかパスをする必要がありますが、ボールを持ったら何回こいでもファールにはなりません。また、通常のラグビーとは違い車いすラグビーは前方にパスを出してもファールにならないルールです。サッカーのようなオフサイドもないので、いきなり前方にパスを出してカウンターを仕掛けることもできます。
車いすラグビーの競技時間と勝敗について
車いすラグビーは1ピリオド8分を4回やって、トライラインを超えた回数の多さを競うルールです。第1ピリオドから第2ピリオドまでは3分間、以降のピリオドでは間に10分間のインターバルが存在します。第4ピリオドを終えても勝敗がつかなかったときは、2分間のインターバルと3分間の延長ピリオドを勝敗がつくまで続けます。プロの試合だと双方40点から50点くらいの点数で勝敗がつくことが多く、タックルしたときの車いすの衝撃音に迫力があると通常のラグビーに匹敵するくらいの人気があります。
タイムアウトのルール
ワールド車いすラグビーのルールでは、ハーフ毎に60秒のタイムアウトを3回までいつでも申請することが可能です。ただしタイムアウトを申請できるのは、コーチかアシスタントコーチのみで、コーチのタイムアウトはボールがデッドしたときのみ申請できるルールになっています。ボールがデッドするとは、ボールがタッチラインを超えたり、審判がホイッスルで試合を一時中断したときのことを指します。なお、タイムアウトできる時間はハーフを超えて持ち越すことができません。また、試合が延長した場合は1ハーフ毎にタイムアウトの権利を受け取れますが、この権利も次のハーフに持ち越すことはできません。
ファウルの種類について
車いすラグビーのルールでは以下に紹介する合計11種類のファウルがあり、審判から宣告された場合は直ちにゲームを中断する必要があります。中断後はペナルティの内容によって相手チームにトライの権利が与えられるか、該当選手へのペナルティを与えた後に試合が再開します。
| ファールの名前 | ファールの内容 |
| チャージング・ファウル | 過度なスピードと威力で危険な衝突をする |
| コンタクト・ビフォア・ザ・ホイッスル・ファウル | 試合が中断している間、対戦相手に試合が有利になるコンタクトをする |
| フォー・イン・ザ・キー・ファウル | 守備側の選手がキーエリアに4人入ってしまう |
| ホールディング・ファウル | 相手の選手や車いすを押さえつけたり、もたれかかったりした |
| リービング・ザ・コート・ファウル | ボールを持ってない選手がトライラインから外に出てしまう ボールを持っていない選手がアドバンテージを得るためにコート外に出てしまう |
| プッシング・ファウル | 対戦相手をイリーガル・ポジションに押し込むために、押し続けてしまう |
| イリーガル・ユーズ・オブ・ザ・ハンズ・ファウル | 試合を有利にするために対戦相手の身体や手などに触ったり叩いたりした |
| スピニング・ファウル | 後輪の軸より後方に衝突し、相手の車いすをスピンさせ、バランスを失わせてしまう |
| ワン(1)メーター・ファウル | 選手がスローインを行う位置のラインから半径1メートル以内に入ってしまった |
| テクニカル・ファウル | 容認できない無礼な態度をする |
| フラグラント・ファウル | 故意にファウルを犯してしまう このファールを取られると3つ分のペナルティを受けます |
まとめ
車いすラグビーのルールは、バスケットボールに近く車いす競技ならではのファウルなどが存在します。特に相手を故意に競技不能に陥れるような行為は重いペナルティが科され、相手に点を与えてしまう可能性もあります。しかし、ルールさえ守ればタックルのときに発生する衝撃音は迫力がある上に、何より障害を持っている人でもここまで出来るんだという勇気を貰うことができるスポーツだと思います。通常のラグビーよりもルールも簡単なので、興味のある人はぜひ一度試合観戦をしてみてください。










